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好きにそっと導かれた生き方:パリ在住フラワーデコレーター Très joli Nami HASEGAWA

  • 執筆者の写真: 友里江 古谷
    友里江 古谷
  • 3月15日
  • 読了時間: 4分

更新日:3月21日



パリで18年間、

レストランやショップの装花やブーケの制作などを主に

フラワーデコレーターとして活躍されている

Très joli Nami HASEGAWAさんのとある日のお仕事に密着しました。



日の出前、早朝から始まる1日

世界最大の花市場でこの日に使う花材の仕入れを行います。

この日市場に出ているお花の中から、テーマにあったものを集めていきます。

イメージしていた花材がなかったり、単価が高く予算に合わなかったりと

想定外のことが起こることも珍しくはないお仕事。

そんな時でも臨機応変に対応されている姿から、長くこのお仕事を続けている経験値を感じさせられます。




お花に傷がないか等、隅々までチェックし仕入れを行なっていきます。


8:30 AM

買い付けが終了し、本日のご依頼先へ。

この日のご依頼先はレストラン。

レストランのお昼営業までに全ての作業を終了しなくてはならないので、早足で向かいます。


冬は日の出まえから大忙し
冬は日の出まえから大忙し

花束を大事に抱えながら、パリの街中を駆け抜けていきます。




10:00 AM

レストランに到着。

まずは前の週に飾ってあったお花のケアから。

もう萎れてきてしまっているお花は1本ずつ丁寧に供養していく様子がとても印象的でした。

その中でもまだ元気なお花はこの週の装花に生かして飾り付けをします。


最後の瞬間まで美しく
最後の瞬間まで美しく

Namiさんが装花される時に意識されているのが「空間」。

花はあくまでその空間をより心地よく過ごすための脇役と捉えていて

空間への馴染みを大切にされています。

レストランのインテリアやエスプリを取り入れてデザインをされます。

またパリの街並みを背景にまるで1枚のアートになるように、フレーム感も意識するのがtrès joli流。



日本人がオーナーのレストランには日本らしいお花を取り入れて
日本人がオーナーのレストランには日本らしいお花を取り入れて

一輪一輪に心を込めて
一輪一輪に心を込めて

笑顔がとても素敵なNamiさん
笑顔がとても素敵なNamiさん

Namiさんのお仕事欠かせないのが長年愛用しているこちらのはさみ。

日本で購入され、定期的に研ぎながら大切に使われているそう。

フランスで購入された他のものだと数回の使用で蝶番が緩んできたりすることがあるのに対し、

こちらはずっと使っていても蝶番の緩みもなく切れ味抜群で使い続けられるとのこと。


Namiさんの大切な相棒
Namiさんの大切な相棒

11:30 AM

予定通りにお店の装花完了し、近所のカフェへ。

朝から時間に追われつつ仕事をこなされていたので、やっと気の抜ける瞬間です。


ほっと一息。
ほっと一息。

Namiさんにとってお花は常に「気になる存在」なんだそう。

人生において切っても切り離せない存在。

そんなお花で誰かの時間を少しでも彩れたらという想いでお仕事をされています。

個人オーダーのご依頼も受けてらっしゃるNamiさんは、

その方がどんな想いでお花を持たれるのかというところまで汲み取り、制作をされます。

時間と手間のかかることですが、ご依頼主さまとしっかりコミュニケーションをとることも大切。

明るく人想いなNamiさん。皆さんがこぞってお仕事を依頼される理由もよくわかります。


お茶目な一面も。
お茶目な一面も。


逃げ道を作ったっていい



アートセンスの国フランスで実力を試したいという想いで、18年前に渡仏を決意したNamiさん。

ここまでやってこれたのは、自分にプレッシャーをかけすぎない

「とりあえず試してみる、ダメだったらまた考えればいい」という気持ちを常に持っていたからだと言います。

実際にコロナ禍という非常に辛い時期もフランスで過ごされました。

この時期には直接お店までお仕事の営業に行かれたこともあったとか。

これだけのキャリアを積んでいるのにも関わらず、躊躇わず挑戦し続ける。

それでもダメだったら一回立ち止まってもいい。


「逃げ道を持つことは悪いことじゃない」

というNamiさんの言葉にすこし肩の力が抜けたような気がしました。


Namiさんのお仕事の様子はこちらの動画でもご覧いただけます。









写真・編集 YURIE FURUYA



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