やさしく、外の世界へ連れ出してくれたもの Câline Paris 原口朝美
- 友里江 古谷
- 5月10日
- 読了時間: 3分
更新日:5月12日

今回の主人公はパリの人気アクセサリーブランドCâline Paris のデザイナーでありオーナーの原口朝美さん。
フランスに移り住み、気付けば約15年。
そんな朝美さんに優しく寄り添う「ものづくり」についてお話を伺いました。
自分の居場所探し
元々大きな目的があったというわけではなく、
自然な流れの中でフランスに住みはじめたという朝美さん。
海外で生活をしてみたかったというわけでもなくフランス暮らしが始まったため
しばらくは自分の居場所を探すのに苦労したと言います。

周りは目的があってフランスに来ている人が多く、
自分も何かしなくてはいけないという焦りもありました。
当時はフランス語も喋れなかったので、次第に家から出られなくなってしまいました。
連れ出してくれた大切なもの
そんなある日、蚤の市で見たヴィンテージ品たちとの出会いを大きなきっかけに、
少しずつ外へとつながり始めました。

無数にある古いパーツの中から、お気に入りのものを探し出すことに夢中になり
アクセサリー作りを始めたといいます。
今回私たちは、蚤の市での買付けに同行させていただきました。
驚いたのは朝美さんの目のつけどころ。
素人では絶対に見つけ出せないような山盛りになったビニールの中からすぐにいいパーツを見つけ出します。

特定のものを探しにいくのではなく、その日の出会いを大事に。
繋げていきたい想い
蚤の市で見つけた古いものたちでアクセサリーを作り始めた朝美さん。

「捨てられるくらいなら、私が新たに繋げていく」
そんな想いがどんどん強くなっていたそう。
アクセサリー作りは、
元々好きだった、作る楽しさや喜びを思い出させてくれたものでもあります。

蚤の市で拾われた古いパーツたちは、昔からの個性はそのままに
朝美さんの手によって新たにたくさんの人に愛されるアクセサリーへと生まれ変わります。
誰かのお守りになったら
自身が作るアクセサリーを身に纏うことで、外に出る楽しみを引き出してくれました。
朝美さんにとってアクセサリーは、自分と外の世界を繋げてくれた大切なもの。

今では、日本からのお客様もたくさんいらっしゃいます。
お客様にアクセサリーをじっくり見ていただき、悩んでいただく。
その時間は朝美さんにとってとても幸せなもの。
昨年からは、アトリエでのご案内に加えてブティックでの店頭販売も始められました。
今までよりもたくさんの方に触れていただける機会が増えました。

自分と同じように、アクセサリーが誰かのお守りのような存在になったら嬉しい
そんな想いで、これからもCaline Parisのストーリーは続いていきます。
密着取材動画はこちらからご覧ください。
写真・文 YURIE FURUYA