大人の反抗期 パリ在住 コンテンポラリーアーティスト Eri Maeda
- 友里江 古谷
- 11月8日
- 読了時間: 2分
更新日:6 日前

モンマルトルにある小さなアトリエ。
その中には牙をむくモンスターたちや、カラフルで尖ったフォルムのオブジェが並んでいます。
今回はそんな個性的で可愛いアトリエを今年オープンしたばかりのオーナーのEriさんに話を伺いました。
コンプレックスを作品に
「お尻を作りたいです」
下北沢の陶芸教室の通い始めたEriさんは、
ずっとコンプレックスだった自分のお尻を作品にしようと考えます。

自分の好きになれない部分を可愛く作品にすれば愛せるかもしれない。
アートは、Eriさんにとって自分を好きになるための対話。
これが今につながる原点だったと言います。
モンスター誕生
パリへの移住、出産を経てEriさんの作品に新たな変化が生まれます。
「美の基準」を知らぬ間に刷り込まれながら、生きていた日本での生活。
「わたしはその美の基準に当てはまらない」そんな気持ちと共に自信が持てないまま過ごします。
ある日その「基準」に疑問を持つようになります。
誰かが決めたその基準やルールに従う必要はあるのか?
そう気づいた時、Eriさんの中に社会への〈反抗〉が生まれました。

広告やメディアが示す理想像に噛みつくような、牙を持ったリップスティックのモンスターがアイコン。
かわいくて、怖くて、ユーモラス。
見る人に問いを投げかける存在です。
「当たり前」を棚卸しする
フランス暮らしを始めてから、日常的に様々な小さな違和感と出会うようになります。
「このルールって、もう古くない?」
そう感じる瞬間が増え、心の中で“価値観の棚卸し”を始めたといいます。

賞味期限の切れた考えを捨て、新しい価値観で棚を満たしていく。
社会の期待や“こうあるべき”という型に、そっと噛みつくようなモンスターたちが生まれていきました。
たくさんの価値観が集まる場所
今年オープンしたモンマルトルのアトリエ。
中古の家具や誰かに愛されてきた道具に囲まれた、小さな創作の空間です。
様々なバックグラウンドを持ちながら、それぞれの価値観を共有できる素敵な空間。
制作アトリエとしてでなく、幅広い分野の方にもイベントスペースとして提供するんだそうです。

アトリエに飾られたモンスターたち。
日常で感じる「なぜ」や「違和感」をEriさんの生み出すモンスターたちが代弁してくれているようで、
なんだか背中を押してもらえる心強い味方に感じました。

写真・文 YURIE FURUYA
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