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立体と平面のあいだで、好きなものを形にする / 陶芸作家・グラフィックデザイナー Yoko Homareda

  • 7月24日
  • 読了時間: 4分

土に触れる時間と、画面の中でデザインを整える時間。

使う道具も、出来上がるものも違うけれど、Yokoさんの中では、どちらも同じような感覚から始まっています。


「色とか、形とか、質感とか。陶芸で追求していることって、グラフィックデザインでも同じように活かされるんですよね」

フランスで、陶芸とグラフィックデザイン、ふたつの仕事を続けるYokoさんを訪ねました。


なんとなく選んだフランスで

「ヨーロッパの美術に興味があって、なんとなくフランスになりました」

美術への興味とともに語学を勉強することも好きで、当時いちばん身近だったフランス語を、もう少し学んでみたいと思ったことが渡仏のきっかけでした。




何か大きな目標を決めていたというより、興味のあるものをたどっているうちに、フランスでの暮らしが始まったそうです。


陶芸を始めたのは、日本にいた19歳頃。

けれど、それを自分の職業にしようと思ったのは、フランスに来てからでした。

「長くやりたいなと思ったので、その時、陶芸家になろうと思いました」

好きだったことを続けるうちに、少しずつ今の形へつながっていきました。



最初から最後まで、自分の手で

Yokoさんが陶芸に惹かれた理由のひとつは、はじまりから終わりまで、全ての工程に自分の手で関われることでした。

学んでいくうちにここから先は自分でできる、もう少し前の工程からもできる、ということが少しずつ分かっていきました。


「本焼きの工程まで、全部自分で手を入れられるというのが、魅力的だなと思いました」

土を選び、形をつくり、色を重ね、最後に焼くところまで。




完成したものだけではなく、そこへ向かう時間にも関わること。

Yokoさんが陶芸に惹かれた理由は、その長い工程の中にありました。


完成の少し手前が、一番楽しい

Yokoさんの制作は、ゆっくり進みます。




以前は一年に一つほどしか、大きなインスタレーション作品を完成させられなかったそうです。

「年に一つ、二つ、まとまった作品ができたら、よくできたなと思う感じです」

完成した作品の後ろには、人に見せることのない試作がいくつもあります。



つくって、少し違うと思って、またやり直す。

「失敗じゃないけど、もう少しこうしたいな、というものがある時が一番楽しいです」

新しい作品へ向かうときの、全ての工程を習得する一歩手前やまだ試作したいと思うときの「余白」

つくることの面白さは、その次の作品への「余白」にあるようでした。


陶芸とグラフィックは、思っているより近い

陶芸とグラフィックデザイン。

手でつくることと、画面の中でつくること。

外から見ると、少し離れた仕事のように見えます。

でも、Yokoさんにとっては、とても近いものだそうです。



「グラフィックデザイン、特にパソコンを使う仕事って、すごく手作業が多いんですよ」

コードを一文字ずつ書き、位置を少しずつ整え、画面の中の形をつくっていく。

陶芸でも、釉薬をつくる時には、材料を細かく量り、混ぜていきます。

「コードもそれと似ていると思いました。私は、そういう地味な作業が結構好きなんです」



華やかな完成形の前には、細かく、静かな作業が続いています。


陶芸で見てきた色や形、質感は、グラフィックの仕事に。

グラフィックで学んだ余白や、どう伝えるかという感覚は、陶芸の作品に。



「どちらで学んだことも、もう一方に活かせると思います」

ふたつの仕事は、行ったり来たりしながら、少しずつつながっていました。


新しい文化の中で、好きなものを見つける

フランスで暮らしていると、いろいろな文化を持つ人に出会います。

「この文化いいなとか、この色彩感覚いいなとか、この食器の使い方面白いなとか」



それまで知らなかった色や形、ものの使い方に触れること。

その中から、自分が好きだと思うものを見つけ、少しずつ仕事へ取り込んでいくこと。

Yokoさんの作品には、これまでに出会ってきたいくつもの「好き」が重なっているように見えました。


暮らしと共にある作品

欠けた器は金継ぎをして、また食卓へ戻していきます。



つくること。使うこと。直すこと。

その境目は、暮らしの中ではとても近い。


陶芸とグラフィック。仕事と暮らし。土に触れる時間と、画面に向かう時間。

それぞれが別々にあるのではなく、Yokoさんの中でゆるやかにつながり、今日もひとつの形になっています。



写真・文 YURIE FURUYA



取材動画はこちら




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